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見直される気流と換気 空気感染対策の遅れに対する代償

P2マスク

イギリスからオーストラリアへ戻った旅行者が、西オーストラリア州パースの隔離指定ホテルで公共放送ABCニュースの取材に答えています。
この中で、滞在したハイアット・リージェンシー・ホテルに隔離が不要な一般の旅行者が宿泊していた、と証言しています。

この旅行者は2階の客室に滞在していましたが、階下の一般宿泊客が規制されることなくバルコニーへ出ていたのを目撃したと言います。

ABCニュースの2月9日の報道

隔離指定ホテルの実状

ABCニュースによれば、ホテルの2階から8階の部分が強制的な隔離が必要な国外または州外からの旅行者に割り当てられており、1階と9階の客室については隔離とは無関係な一般の利用者に解放されていることが分かりました。

同様にパン・パシフィック・ホテルも隔離指定ホテルでありながら、一部の客室を一般の利用者へ開放していると言います。

西オーストラリア州の保健省は、このふたつのホテルは共に要隔離者と一般利用者の居住エリアを明確に分け、隔離指定ホテルとしての規定を守っていると声明しています。

マスクと換気に関する誤解

これに対し鉱山・資源の多国籍巨大企業リオ・ティント社で衛生士を務め、自身もオーストラリアのホテル隔離システムを体験したキャンディス・ディクス氏は、隔離指定ホテルで働く従業員のマスクの性能と、密閉した空間であるこれらのホテルの換気の管理に大きな誤解があると指摘しています。

鉱山の作業現場では粉塵や微粒子に加え、熱応力、放熱、アスベスト、シリカ粉塵など空気中にあるあらゆる健康リスクと戦うため非常に厳重な対策を取ります。

ディクス氏は、これと同レベルの厳しい対策を隔離施設で新型コロナウイルスに対峙する労働者にも適用すべきだとしています。

まず、感染経路のひとつとしての空気感染に触れ、着用するマスクの性能に言及しています。

“We know that COVID-19 can be transmitted through the air, the science backs it up.

COVID-19が空気感染することは知っている。科学がそれを証明している。

“workers should be wearing a fitted P2 respirator or higher”

(隔離施設で働く)労働者はサイズの合ったP2またはそれ以上の性能のレスピレーターを着用すべきだ

さらにホテル内で要隔離者と一般宿泊客が共有するスペースであるエレベーターに触れ、密室であるが故のその空間の感染リスクについて指摘しています。

たとえ宿泊する客室が異なる階層にあっても、共有を避けることができないエレベーターや食事の支度をするキッチンなどの施設はあり、同じ建物を要隔離者と一般利用者の両者で利用すべきではない、との主張です。

“The virus can stay in the air for some hours. So if you’ve gone into a lift … and the next person comes in, they can breathe and be exposed to that,”

ウイルスは空気中に数時間留まることができる。あなたがエレベーターに乗り、そこに次の人が乗ってきたら、ウイルスを吸い込み感染してしまいかねない。

空気感染対策の遅れとその代償

西オーストラリア州保健省のスポークスマンは、近く隔離ホテルにおける気流と換気に関する再調査が行われるだろうと話しています。

世界の各国で、新型コロナウイルスの空気感染への対策の遅れが厳しく糾弾され始めています。

日本でも一刻も早いレスピレーター・マスクの一般導入が待たれるところです。

最後に前述のディクス氏の言葉を添えさせていただきます。

“So until we start acting like it is in the air, we’re going to continue to see these kinds of outbreaks.”

空気中にウイルスがいると認めて行動を起こすまで、私たちはこの種のアウトブレイク(大流行)を際限なく見続けるだろう。