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空気感染と対策 求められるレスピレーター・マスク

P2マスク

世界で活発に議論されている新型コロナウイルスの空気感染の可能性。

すでにアメリカのCDC(疾病対策予防センター)は2020年10月に空気感染を新型コロナウイルスの感染経路のひとつとして認めています。

今まさにこの空気感染への対策、法整備に諸外国政府が追われています。

メルボルンでホテル従業員が空気感染の可能性

オーストラリア・ヴィクトリア州メルボルンで2月3日に明らかになった隔離指定ホテルの従業員による新型コロナウイルス感染。

これについて、RACGP(The Royal Australian College of General Practitioners/ 王立オーストラリア開業医大学)は、空気感染である可能性について記事を発表しました。

RACGPが発表した2月4日のニュース記事

テニスの全豪オープンに参加するプロ選手たちを隔離指定ホテルへ隔離し、その忖度なき強い姿勢が話題となったヴィクトリア州ダニエル・アンドリューズ知事。

アンドリューズ知事は先述のホテルでの感染について会見し、感染が判明した26歳の男性従業員は模範的なスタッフであったと述べています。

調べによるとセキュリティカメラの映像からもこのスタッフのPPE(個人防護具)の着用、作業手順、ルール順守に至るまで一切の違反が見つからなかったとのこと。

この会見の中でアンドリューズ知事は感染経路としての空気感染の可能性を除外しない、と述べました。

‘One of the things we can’t rule out is that there’s aerosol transmission, so airborne transmission,’

我々が可能性を完全に除外することができないのはエアロゾル感染(マイクロ飛沫感染)、空気感染があったという可能性だ

これを受け、豪国内で著名な専業衛生士ケイト・コール氏も空気感染が原因であることに疑いはない、と賛同しました。

そのうえで、空気感染に対抗するには換気とともにPPE(個人防護具)を高性能化すべく見直す必要がある、と指摘しています。

upgrading PPE to be respiratory protection – we mean N95, P2 respirators, not surgical masks.

PPEを呼吸器保護具へアップグレードする必要がある。N95やP2レスピレーターへという意味で、サージカルマスクへという意味ではない。

 
‘Surgical masks don’t provide respiratory protection from airborne hazards.’

サージカルマスクは空気感染の危険から呼吸器を保護してはくれない。

ブリスベンでもイギリス変異株が空気感染の可能性

これに先立ち先月1月に隔離指定ホテルの従業員がイギリス変異株に感染していたことが判明したクイーンズランド州ブリスベン。

この事例では十数名の医師が、空気感染症専門家を雇用しイギリス変異株が空気感染した可能性について調査するよう、クイーンズランド州政府に書面を提出し求めました。

書面には心臓病医、麻酔科医、開業医、看護師、内科医らが署名しており、エアロゾル(マイクロ飛沫)研究者、専業衛生士、換気・エアコン通気のエキスパートの三分野の専門家を集めることを求めています。

オーストラリアの公共放送 ABCニュースの記事


環境医学者のデビッド・アレン医師はなぜ未だに豪州政府が空気感染症専門家を対策チームに招き入れていないのか理解できない、と話しています。

アメリカのCDC(疾病対策予防センター)やヨーロッパのECDC(ヨーロッパ疾病予防管理センター)がすでに空気感染を認めているのに、それに基づいた対策が豪州国内で遅れている、と指摘しています。

またアレン医師は、サージカルマスクでは密閉性を確立できず空気感染が防げないにも関わらず、感染者、医師、医療従事者は医療現場でサージカルマスクしか支給されていないことにショックを受けたと話しています。

workers operating a machine that sweeps dust would be wearing a P2 fit-tested respirator for just dust, but healthcare workers dealing with COVID-19 issued with surgical masks,

「ちり」を掃く機械を操作する現場労働者でも「ちり」だけのためにフィットテスト(試着試験)をしたP2レスピレーターを着用する、でもCOVID-19に対峙する医療関係者にはサージカルマスクしか支給されていなかった。

アレン医師はまた、接触感染のリスクばかりが強調されている、空気感染を含むすべてリスクに警戒しなければいけないとも指摘しています。

感染経路についての議論と求められる対策

これは、接触感染か、または空気感染か、という二者択一の議論ではありません。

接触感染もあれば、飛沫感染もある。そして空気感染もある。

確率が低いからといってあなたが空気感染しない、という保証はどこにもありません。

家族が、仲間が、従業員が空気感染しない、という保証はどこにもありません。

すでに新型コロナウイルスが空気感染することが分かっているのです。

サージカルマスクでは防げない。

今こそが空気感染という可能性にしっかり対処すべき時なのです。