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N95マスクとKN95マスク 似て非なるその正体

P2マスク

アメリカのバイデン新大統領が就任翌日に連邦施設でのマスク着用義務化、そして公共交通機関などでの「100日間マスク着用チャレンジ」を発表し、日本でも大きな話題となりました。

これを受け、2月1日のCBSニュースではどのマスクの着用が効果があるのか、という特集を組んでいます。

その中の大きなトピックに「KN95マスク」の信頼性についてのレポートがありました。

アメリカ合衆国労働安全衛生研究所(NIOSH)の安全基準をクリアした微粒子ろ過効率95%のN95マスク。

一方、インターネット上でこれより安価に売買されているKN95マスク。

実は両者は似て非であるものであることが問題視されています。

CBSニュースの2月1日の記事

KN95マスクとは?

アメリカのN95マスク。

その「95」は先述の通り、微粒子ろ過効率を表しており、0.3㎛の粒子を95%ブロックできるという性能表示となります。

一方のKN95マスクのKN95は中国政府の規格となっており、数字は微粒子ろ過効率とは直接関係がありません。

つまり0.3㎛の粒子を95%もブロックしなかった、ということです。

“A September report from ECRI found that up to 70% of KN95 masks did not meet U.S. standards of effectiveness.”

ECRI研究所(旧緊急医療問題調査研究所)が行った2020年9月の調査ではKN95マスクの実に70%が効用に関するアメリカの基準値を満たしていないことが分かりました。

アメリカの事情

それではなぜKN95マスクがアメリカ国内で流通したのでしょうか。

パンデミック当初、CDC(アメリカ疾病対策センター)は医療現場でN95マスクが不足したのを受け、「KN95マスクはN95マスクの代替品になる」との見解を発表しました。

FDA(アメリカ食品医薬品局)もこれを受け、2020年4月3日に医療現場でのKN95マスクの使用を認めました。

ここから多くの中国企業がKN95マスクをアメリカへ輸出するようになりました。

ところがFDAは「アメリカの安全基準値に満たないKN95マスクが大量に見つかった」として前言を撤回。

5月7日にアメリカにマスクを輸出する中国企業80社のうち8割の輸出許可を取り消しました。

東洋経済オンラインの2020年5月16日の記事

日本の事情

それでは日本ではKN95マスクの扱いはどうなっているのでしょうか。

厚生労働省が2020年4月10日に出した事務連絡によれば、「KN95 マスクなどの医療用マスクのうち、米国 FDA で緊急使用承認(EUA)が与えられているものについては、N95 マスクに相当するものとして取り扱うこと。」と記載があります。

この「米国FDAで緊急使用承認が与えられているもの」という条件があまり広く認知されていません。

「KN95マスクと記載があればどれもN95マスクと同等の性能を持つ」と誤って理解されているケースが多いように見受けられます。

日本では比較的安価で手に入るKN95マスクですが、実はその多くは安全性や性能に疑問のあるものです。

FDA の緊急使用承認が与えられているマスクのリストをひとつひとつ確認すれば信頼に足るKN95マスクが見つかるかもしれませんが、英文のリストを正しく確認するのは我々素人には非常に大変な作業です。

リスクを負って安価なマスクに手を出すより、私たちはKN95マスク自体の購入を控えたほうが良さそうです。

厚生労働省が自治体の衛生主管部へ宛てた2020年4月10日の事務連絡

FDA の緊急使用承認が与えられているリスト

ヨーロッパのFFP2、オーストラリアのP2はそれぞれアメリカのN95と同等の微粒子ろ過効率、内部漏れ率、CO2除去性能を有するという安全基準です。

これらのマスクはそれぞれ呼吸器保護具=レスピレーター・マスクと定義され、絶対の信頼性を保証しています。

命に係わるマスクという「防具」。

家族のため、お子様のため、正しく安全なものを選びたいものです。

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