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ジェレミー・ハント元英国保健相、英国でもFFP2レスピレーター・マスク着用義務化を呼びかける

P2マスク

ガーディアン紙のインタビュー記事

イギリスの大手新聞「ガーディアン」紙は1月24日、保守党政治家のジェレミー・ハント氏がFFP2レスピレーター・マスク(認証付き高機能マスク)着用義務化を呼び掛るインタビュー記事を報道しました。

ガーディアン紙はイギリスで定期購読者数50万人以上を誇る中道左派の一般新聞。

ジェレミー・ハント氏は国家の現ヘルス&ソーシャルケア特別委員会委員長であり、2012年から2018年まで保健相を務めた人物です。

ヘルス&ソーシャルケア特別委員会は保健省の活動を監督する役目を担っており、またハント氏の保健相在任期間は歴代最長となっています。

ガーディアン紙のインタビュー記事

そのイギリスの保健事情に格別明るいハント氏によれば、イギリスが現在、施行しているロックダウン政策だけでは新型コロナウイルスの感染拡大のスピードに追い付いていけない、というのです。
また、FFP2レスピレーターはサージカルマスクや布マスクと違い、呼気、排気ともフィルターを通して行われるため、着用者を感染から守る、としています。

マスクの着用普及に遅れを取り新型コロナウイルスの感染が拡大した過去の過ちを活かし、今回のFFP2レスピレーターの着用義務化では遅れを取ってはいけない、と警鐘を鳴らしています。

“He is calling for FFP2 respirator masks –”
“– to be made compulsory on public transport and in shops. “
FFP2レスピレーターマスクの着用を公共交通機関や商店内でも着用義務化するよう呼び掛けている

先を行くドイツ、オーストリア、フランスの対策

すでにドイツのバイエルン州では1月18日から、ドイツ全土では1月19日から、そして追従した隣国オーストリアでは1月25日からそれぞれFFP2レスピレーターの公共の場での着用が一般の人にも義務付けられました。

またフランスでもサージカルマスク(医療用不織布マスク)またはフランス独自規格の「カテゴリー1」の高性能マスクの使用を勧告する方針が1月21日に発表されました。
共に変異型のウイルスにより壊滅的なダメージを受けているイギリスの惨状を目の当たりにした対策です。

フランスの医療用マスク使用勧告に関するロイター通信の報道

イギリス、3度目のロックダウン

当のイギリスでは1月5日以降、3度目のロックダウン中です。

5段階の「驚異レベル」のうち最悪の「レベル5」と位置づけ、医療崩壊に陥る重大なリスクに直面しており、厳重な社会的距離政策が必要であるとしました。
感染力が通常の1.7倍ともいわれるイギリス変異型ウイルスの爆発的な蔓延と共に、不要不急の外出を控えるようにという政府のガイダンスに背き、クリスマスや新年のお祝いに家族や友人などがこっそり集まっていたことが感染拡大の一因と見られています。

ロックダウンに関する1月5日のニューズウィークの記事

ガーディアン紙よれば、自主隔離の要請に従っていると回答したのは4人にひとりにとどまったと言います。

これは度重なるロックダウンに対し政府による金銭的な生活援助が足りていないため、とハント氏は指摘しています。

政府によればロックダウン中、「外出できるのは生活に不可欠な買い物、リモートに絶対に切り替えられない仕事、運動、コロナ検査を受けるなど医療上の要請、家庭内暴力からの脱出など、法律で許可される理由に限られる」と規定されています。

そしてロックダウン発出の際にジョンソン首相は、「(今すぐ)行動を起こさなければ3週間以内に国民医療サービスがコロナに圧倒される。これからの数週間は最も過酷な状況に置かれる。私たちは本当に戦いの最終段階に入った。」と発言しているにも関わらず、です。

重なる日本の姿

あれ?と思われた方も多いと思います。

この状況、聞き覚えがありませんか?

そうです。

非常事態宣言の要請内容、そして非常事態宣言が発出されている11の都府県、とりわけ大都市の東京、大阪などの現状と酷似しています。

奇しくも飲食店に対する時短営業協力金の金額の少なさに対する批判、否応なしに外出せざるを得ない一般市民、リモートワークに切り替えられず出社するサラリーマンの姿など、今の日本の問題点と重なる気がしてなりません。

新型コロナウイルスは空気感染する

ハント氏は、2メートルというソーシャルディスタンスのルールが本当に効果的であるのか、政府は今一度、見直す必要がある、とも考えています。

先立つこと2020年10月5日にはアメリカの疾病対策予防センター(CDC)が新型コロナウイルスの感染経路の一つとして「空気感染」を認めています。

飛沫、マイクロ飛沫のサイズは様々で、新型コロナウイルスが空気中を数分から数時間にわたって浮遊することがある、とするものです。

極小のマイクロ飛沫は一般の不織布マスクで防ぐことができず、ハント氏が指摘するようにFFP2レスピレーターまたはP2レスピレーター、N95レスピレーターなど同等レベルの認証付き高性能マスクのフィルター性能が必要です。

日本国内のイギリス変異型に対する恐怖

1月18日に静岡県で初めて確認された新型コロナウイルスのイギリス変異株。

1月22日は東京都内の女児からも変異型が見つかりました。
共に「面的な広がりはない」としながらも市中感染が起きた可能性がある、と厚生労働省は発表しています。

静岡では全検体を調べ直すことを決定しており、東京でも1400人余りの検体をすでに調べています。

結果、国内のイギリス変異型の数はすでに50人にも上っています。

1月22日にはイギリス・ジョンソン首相が、「変異株は感染力が強いだけでなく、死亡リスクも高い可能性がある」と発表しています。

確証には至っていない、というもののイングランド公衆衛生庁、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の3者がそれぞれに行った致死性の研究で同じような証拠が得られています。

死亡リスクに関するジョンソン首相発言についてのBBCニュース報道

イギリスの未来、日本の未来

ハント氏は「致死率の高い数々の変異型ウイルスに対し、英国政府はさらにもっと対策を立てなければならない」と警鐘を鳴らしています。

ハント氏はパンデミック当初の韓国のPCR検査普及に対する対応の早さを称賛しつつ、遅きに失したイギリス政府の対応を指摘しています。

累計感染数7万5500あまりの韓国に対し、イギリスは364万7400人超。

人口100万人に対する感染者数でも韓国の1472人に対し、イギリスは36倍以上の5万3500人超。

初動の違いが両国の現状にこれだけ決定的な差をつけたと言っても過言ではありません。

日本はすでに累計感染数36万人。

半年後の東京オリンピックの強硬開催もささやかれる日本。

今こそ他国に先駆けた認証付き高性能マスク、とりわけ安定供給が可能なP2レスピレーターの一般への導入が期待されます。

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